近年、私たちの身近な生活に潜む「マイクロプラスチック」の存在が、研究によって明らかになってきました。福岡工業大学や長崎大学の研究では、肺の組織や気管支肺胞洗浄液から、微細なプラスチック粒子が検出されています。全ての検体から見つかっており、誰もが日常的に吸入していることが分かりました。
マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックとは、プラスチック製品が紫外線や摩擦によって細かく砕けたもので、非常に分解されにくい性質があります。空気中、海水、土壌、さらには食品や飲料にも広く存在しており、私たちは知らず知らずのうちに吸い込んだり口にしています。
研究でわかったこと
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肺の組織から直径5ミリ以下のプラスチック粒子を全ての検体で確認。
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気管支肺胞洗浄液でも全員の検体から微粒子を検出。
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粒子濃度が高いほど、炎症マーカー(CRP)の数値がやや上昇する傾向があることが示唆された。
ただし、現時点ではマイクロプラスチックが直接的に病気を引き起こすかどうかは明らかになっていません。体内での挙動や、どのくらい蓄積すると健康リスクになるかも、まだ研究段階です。
日常生活への影響
私たちが普段使う柔軟剤、洗剤、食品包装、飲料カップなどからも微細なプラスチックや化学物質が微量ずつ体内に入る可能性があります。ただし、テレビなどの報道ではスポンサーの影響もあり、具体的な製品や企業名にまで踏み込むことはほとんどありません。
できること
完全に避けることは不可能ですが、少しでも体内への摂取を減らす方法はあります。
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自炊や加工食品を減らす
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食品容器はガラスやステンレスを選ぶ
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使うプラスチック包装を最小限にする
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空気清浄機や換気で室内の微粒子を減らす
研究者は今後、どのくらいの量で健康に影響するか、長期的な影響を調べる必要があると指摘しています。日常生活で少し意識することはできるものの、過度に心配する必要はまだありません。